Azure AI Studioでチャットモデルを構築してWebアプリにデプロイする
Azure AI Studioは、大規模言語モデル(LLM)を使ったチャットアプリケーションを簡単に構築・デプロイするための強力なツールです。 本記事では、Azure AI Studioのチャットプレイグラウンドでチャットモデルを構築し、それをWebアプリとしてデプロイする手順を詳しく解説します。
はじめに
Azure AI Studioは、AI開発者向けの統合開発環境(IDE)として、AIモデルの構築、トレーニング、デプロイ、および管理を簡素化する機能を提供しています。 AI Studioは、さまざまなAIサービスとの統合を備え、ユーザーは簡単にチャットモデル、画像認識モデル、自然言語処理モデルなどを開発できます。
Azure AI Studioのチャットプレイグラウンドは、LLMベースのチャットボットの構築とテストを容易にするインタラクティブな環境です。 チャットプレイグラウンドを使用することで、ユーザーはプロンプトを記述し、モデルの応答をリアルタイムで確認できます。 これは、モデルの動作を理解し、必要な調整を加えるための貴重なツールです。
AI Studioには、構築したチャットモデルをWebアプリとしてデプロイする機能も備わっています。 この機能により、ユーザーは簡単にチャットボットをWebサイトやモバイルアプリに統合できます。 AI Studioは、Azure App Serviceと統合し、Webアプリのデプロイを自動化します。 これにより、開発者はインフラストラクチャのセットアップや管理の手間を省くことができます。
Azure AI Studioでチャットモデルを構築してWebアプリにデプロイする手順
以下は、Azure AI Studioでチャットモデルを構築してWebアプリにデプロイする手順です。
1. 前提条件
- Azure サブスクリプション
- Azure AI Studio ハブ: AI Studio ハブは、AI Studioプロジェクトをホストする環境です。
- Azure OpenAIサービス: Azure OpenAIサービスは、大規模言語モデル(LLM)へのアクセスを提供します。
2. プロジェクトの作成
- Azure AI Studioにサインインします。
- 左側のウィンドウで[新規プロジェクト]を選択します。
- プロジェクト名を入力します。
- ハブを選択します。 既存のハブがない場合は、[新規ハブの作成]をクリックしてハブを作成します。
- [作成]をクリックして、プロジェクトを作成します。
3. チャットモデルのデプロイ
- 左側のウィンドウで[デプロイメント]を選択します。
- [+ モデルのデプロイ]をクリックします。
- デプロイするモデルを選択します。 Azure OpenAIサービスから提供されるさまざまなLLMから選択できます。
- デプロイメント名を入力します。
- [デプロイ]をクリックして、モデルをデプロイします。
4. チャットプレイグラウンドの利用
- 左側のウィンドウで[プレイグラウンド]を選択します。
- [チャット]を選択します。
- デプロイされたチャットモデルを選択します。
- プロンプトを記述して、モデルの応答をテストします。
5. データの追加
- チャットプレイグラウンドで、左側のウィンドウで[データの追加]を選択します。
- [+ 新しいデータ ソースの追加]をクリックします。
- データソースを選択します。 ファイルのアップロード、Azure Blob Storage、またはAzure SQL Databaseからデータソースを選択できます。
- 必要に応じて、データソースを構成します。
- [作成]をクリックして、データソースを作成します。
6. Webアプリのデプロイ
- チャットプレイグラウンドで、左側のウィンドウで[Webアプリにデプロイ]を選択します。
- Webアプリ名を入力します。
- Azureサブスクリプションとリソースグループを選択します。
- 場所を選択します。
- [デプロイ]をクリックして、Webアプリをデプロイします。
7. 認証設定
- Azureポータルにサインインします。
- デプロイされたWebアプリのリソースグループに移動します。
- Webアプリを選択し、[設定]をクリックします。
- [認証]を選択します。
- [IDプロバイダーの追加]をクリックします。
- IDプロバイダーとしてMicrosoftを選択します。
- 必要な設定を構成し、[保存]をクリックします。
8. Webアプリの使用
- Azure AI Studioのチャットプレイグラウンドで、[起動]ボタンをクリックして、デプロイされたWebアプリを起動します。
- 必要な認証情報を提供して、Webアプリにアクセスします。
- チャットボットと対話して、機能をテストします。
9. リソースのクリーンアップ
- Azureポータルにサインインします。
- デプロイされたWebアプリのリソースグループに移動します。
- 削除するリソースを選択し、[削除]をクリックします。
まとめ
この記事では、Azure AI Studioを用いたチャットアプリケーション開発の手順を解説しました。 AI Studioは、チャットモデルの構築、トレーニング、デプロイ、および管理を容易にする強力なツールです。 チャットプレイグラウンドは、モデルのテストに便利なインタラクティブな環境であり、Webアプリへのデプロイ機能により、簡単にチャットボットをWebサイトやモバイルアプリに統合できます。
Azure AI Studioは、AI開発者にとって非常に強力なツールであり、さまざまなAIアプリケーションを簡単に構築することができます。 本記事で紹介した手順を参考に、Azure AI Studioを活用して、独自のチャットアプリケーションを開発してみてください。