Azure OpenAI Service モデルの提供終了と非推奨について

Azure OpenAI Serviceでは、さまざまな機能と価格ポイントを備えた多様なモデルセットが提供されています。 常に最新で最高の機能を提供するため、サービスは進化し続けており、その過程で古いモデルは非推奨となり、最終的には提供が終了します。 このブログ記事では、Azure OpenAI Serviceモデルの提供終了と非推奨に関する最新情報について説明し、スムーズな移行を支援します。 開発者は、この情報を入手して、将来のモデル廃止に伴う影響を最小限に抑える必要があります。

用語

開発者がAzure OpenAI Serviceモデルの提供終了と非推奨について理解しやすいように、重要な用語を定義します。

  • 提供終了: 特定のモデルの提供が終了すると、そのモデルはAzure OpenAI Serviceでは使用できなくなります。 提供終了したモデルのAzure OpenAI Serviceデプロイでは、常にエラー応答が返されます。

  • 非推奨: モデルが非推奨になると、新規のお客様はAzure OpenAI Serviceでそのモデルを使用できなくなります。 しかし、提供終了されるまでは、既存のデプロイをお持ちのお客様は引き続きそのモデルを使用できます。

通知

Azure OpenAI Serviceは、今後提供終了予定のモデルについて、アクティブなAzure OpenAI Serviceデプロイをお持ちのお客様に通知します。 デプロイごとに、次の手順で通知されます。

  • モデルのリリース時: プログラムによって、モデルが提供終了される「これより早くない」日付 (通常は6か月から1年) が指定されます。
  • 一般公開 (GA) モデル: モデルの提供終了の少なくとも60日前に通知されます。
  • プレビュー モデル: バージョンアップグレードの少なくとも30日前に通知されます。

提供終了は、リージョンごとにローリング ベースで行われます。

モデルの可用性

Azure OpenAI Serviceでは、モデルの可用性と提供終了のスケジュールが、クラウドの種類 (AzureパブリッククラウドとAzure Governmentクラウド) によって異なります。

Azure パブリック クラウド

Azureパブリッククラウドでのモデルの可用性に関する重要なポイントを次に示します。

  • GAモデル: モデルが世界中の少なくとも1つのリージョンでリリースされた後、少なくとも1年間は利用可能になります。
  • グローバル デプロイ: gpt-4o および gpt-4 0409 以降のすべての将来のモデルバージョンは、次のモデル (N) と比較のための (N+1) で使用できるようになります。
  • 事前テスト: 新しいGAモデルのアップグレードが行われる前に、お客様は少なくとも1つのグローバルリージョンまたは標準リージョンで新しいGAモデルを60日間試すことができます。

Azure Government クラウド

Azure Governmentクラウドでのモデルの可用性に関する特別な考慮事項を次に示します。

  • グローバル標準デプロイ: Azure Governmentクラウドでは、グローバル標準デプロイは使用できません。
  • モデルの制限: 商用/パブリッククラウドで利用可能なすべてのモデルまたはモデルバージョンが、Azure Governmentクラウドで利用できるわけではありません。
  • バージョン サポート: Azure Governmentクラウドでは、特定のモデルのバージョンを一度に1つだけサポートする予定です。 たとえば、gpt-35-turbo 0125gpt-4o (2024-05-13) の1つのバージョンだけです。
  • バージョン重複: 新しいモデルバージョン間には、30日間の重複があり、その間は2つ以上が使用可能になります。 たとえば、gpt-35-turbo 0125 または gpt-4o (2024-05-13) が将来のバージョンに更新される場合、またはバージョン更新を超えるモデルファミリの変更の場合 (例: gpt-4 1106-preview から gpt-4o (2024-05-13) への移行) などです。

モデルの提供終了とバージョンアップグレードへの対応

モデルが提供終了され、バージョンアップグレードが行われる際には、開発者はアプリケーションをスムーズに移行できるように、いくつかの手順を実行する必要があります。

  • モデルの評価: 新しいモデルとバージョンでアプリケーションをテストし、その動作を評価します。
  • アプリケーションの更新: 提供終了日より前に、アプリケーションを新しいモデルとバージョンを使用するように更新します。

モデルの評価とアップグレードに関する詳細情報は、Azure OpenAI Serviceのドキュメントを参照してください。

現在のモデル

Azure OpenAI Serviceで現在使用できるモデル、非推奨のモデル、提供終了予定のモデルを一覧で示します。

モデル バージョン 提供終了日 推奨される置き換え
gpt-35-turbo 0301 2024年10月1日以降 gpt-4o-mini
gpt-35-turbo
gpt-35-turbo-16k
0613 2024年11月1日 gpt-4o-mini
gpt-35-turbo 1106 2024年11月17日以降 gpt-4o-mini
gpt-35-turbo 0125 2025年2月22日以降 gpt-4o-mini
gpt-4
gpt-4-32k
0314 非推奨: 2024年10月1日
提供終了: 2025年6月6日
gpt-4o
gpt-4
gpt-4-32k
0613 非推奨: 2024年10月1日
提供終了: 2025年6月6日
gpt-4o
gpt-4 1106-preview gpt-4バージョンにアップグレード: turbo-2024-04-09、2024年8月15日以降 1 gpt-4o
gpt-4 0125-preview gpt-4バージョンにアップグレード: turbo-2024-04-09、2024年8月15日以降 1 gpt-4o
gpt-4 vision-preview gpt-4バージョンにアップグレード: turbo-2024-04-09、2024年8月15日以降 1 gpt-4o
gpt-3.5-turbo-instruct 0914 2025年9月14日以降  
text-embedding-ada-002 2 2025年4月3日以降 text-embedding-3-small または text-embedding-3-large
text-embedding-ada-002 1 2025年4月3日以降 text-embedding-3-small または text-embedding-3-large
text-embedding-3-small   2025年2月2日以降  
text-embedding-3-large   2025年2月2日以降  

1 これらのプレビューデプロイを使用しているすべてのお客様には、アップグレードの開始の少なくとも30日前に通知します。 アップグレード中に従うリージョンとモデルバージョンの順序を詳しく説明したアップグレードスケジュールを公開し、ここからそのスケジュールにリンクします。

重要: 光学式文字認識 (OCR)、オブジェクトグラウンディング、ビデオプロンプトなどのビジョン拡張機能のプレビュー機能は廃止され、gpt-4バージョン: vision-previewturbo-2024-04-09にアップグレードされると使用できなくなります。 現在これらのプレビュー機能のいずれかに依存している場合、このモデルの自動アップグレードは破壊的変更になります。

提供終了と非推奨の履歴

過去に提供終了と非推奨が行われたモデルと、それらの変更に関する履歴を次に示します。

2024年8月8日

  • gpt-35-turbo および gpt-35-turbo-16k (0613) モデルの提供終了日を 2024年11月1日に更新しました。

2024年7月30日

  • 次のバージョン用の gpt-4 プレビューモデルのアップグレード日は、2024年11月15日以降に変更されました。
    • 1106-preview
    • 0125-preview
    • vision-preview (このモデルが廃止/アップグレードされると、ビジョン拡張機能はサポートされなくなります)。

2024年7月18日

  • gpt-4 0613 の非推奨となる日を 2024年10月1日に、提供終了日を 2025年6月6日に更新しました。

2024年6月19日

  • gpt-35-turbo 0301 の提供終了日を、2024年10月1日以降に更新しました。
  • gpt-35-turbogpt-35-turbo-16k 0613 の提供終了日を、2024年10月1日に更新しました。
  • gpt-4gpt-4-32k 0314 の非推奨となる日を 2024年10月1日に、提供終了日を 2025年6月6日に更新しました。

2024年6月4日

  • レガシモデルの提供終了日が1か月更新されました。

2024年4月24日

  • gpt-35-turbo 0301 および 0613 の最も早い提供終了日が 2024年8月1日に更新されました。

2024年3月13日

  • このドキュメントは、現在のモデル、非推奨のモデル、今後の提供終了に関する情報を提供するために公開しました。

2024年2月23日

  • 2024年3月8日より前に開始される gpt-4 バージョン 1106-preview から 0125-preview への一括アップグレードを発表しました。

2023年11月30日

  • gpt-4gpt-3-32k の既定のバージョンは、2023年11月30日以降 0314 から 0613 に更新されました。 自動アップグレード用に設定された 0314 デプロイの 0613 のアップグレードは、2023年12月3日に完了しました。

2023年7月6日

  • 2024年7月5日に提供終了予定のモデルの廃止を発表しました。

考察

Azure OpenAI Serviceモデルの提供終了と非推奨は、開発者にいくつかの影響を与えます。

  • 開発作業: 新しいモデルへの移行が必要になるため、アプリケーションの更新、テスト、デプロイに時間がかかる場合があります。
  • コスト: 新しいモデルは、提供終了されるモデルとは異なる価格設定が適用される可能性があります。
  • 機能: 新しいモデルは、提供終了されるモデルとは異なる機能セットを備えている可能性があります。

一方で、これらの変更は、開発者に新しい機会も提供します。

  • 最新技術: 最新のモデルを使用することで、開発者は最新かつ高度な機能を利用できます。
  • パフォーマンス向上: 新しいモデルは、提供終了されるモデルよりもパフォーマンスが向上している可能性があります。
  • 機能の改善: 新しいモデルは、提供終了されるモデルよりも機能が改善されている可能性があります。

まとめ

Azure OpenAI Serviceは進化し続けており、開発者はその進化について常に最新情報を入手しておく必要があります。 このブログ記事では、Azure OpenAI Serviceモデルの提供終了と非推奨に関する重要な情報、およびスムーズな移行を支援するための手順を提供しました。 これらの変更は、開発者にいくつかの課題をもたらしますが、同時に最新のテクノロジーを利用する機会も提供します。 常に最新情報を入手し、モデルの提供終了とバージョンアップグレードに備えることで、開発者はAzure OpenAI Serviceを最大限に活用できます。